長時間労働による労災認定増加 残業だけでなく海外出張も対象に


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労働基準監督署が仕事中や通勤途中に負傷したり、業務によって起きた事故や過労で死亡したと認定した場合に支払われる労働者災害補償保険(労災保険)。
業務災害に関する保険給付としては、療養補償給付、休業補償給付、障害補償給付、遺族補償給付、葬祭料、傷病補償年金、介護補償給付があり、同様の補償内容の通勤災害に関する保険給付として、療養給付、休業給付、障害給付、遺族給付、葬祭給付、傷病年金、介護給付があります。
労災保険と言えば、業務中のケガやそれに付随する病気が最も多いですが、心の病とともに増加傾向にあるのが、長時間労働等の過労による労災認定です。
マクドナルドやコナカの店長の訴えでは、名ばかり管理職に対する残業代支払いに有無が報道の中心でしたが、長時間労働による過労も問題となってきます。
まさしく疲弊する労働環境の典型例と言えます。
脳や心臓の病気で労災認定を受け、いわゆる「過労」と考えられる人の数が前年度比1割増の392人となったことが、厚生労働省の調べで分かりました。
このうち過労死は142人で、前年度より5人減っています。
392人の9割以上となる362人の過労の原因が、長時間労働によるものでした。
1か月平均の残業時間では80時間以上100時間未満が135人で最も多く、100時間以上120時間未満も91人、160時間以上も35人に上っています。
1日の所定労働時間を8時間とし、20日勤務した場合の月間総就労期間は160時間です。
残業時間160時間以上と言うのは、一人当たりの月間就労時間をも上回る時間残業していたことになります。
労働基準法において月々の残業時間により賃金の割増率を変えようという動きがあり、厚労省も1か月の残業時間80時間以上を「過労死ライン」として認定の目安にしています。
今回得られた労災認定した残業時間の実態は、政府のガイドラインと比べても異常という他ありません。
更に過労による労災認定は、長時間労働だけにとどまりません。
 約1年間に計10回、183日間の海外出張をした後、くも膜下出血で死亡した「セイコーエプソン」(長野県)の元男性社員(当時41)の遺族が労災認定を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁(青柳馨裁判長)が労災を認定しました。
セイコーエプソンの元社員の死亡前における1カ月の平均残業時間は30時間未満。
一審判決は、平均残業時間が一般に過労死と認められる45時間を超えなかったため労災認定されませんでしたが、多数回の海外出張で疲労が蓄積し病気が発症したとして、疲労によるくも膜下出血発症が認められました。
長時間労働だけでなく、あらゆる労働条件が過労による労災認定の是非を判断する材料となることを示しており、企業のこれからの労働時間管理にもかなり影響を与える判決と言えます。


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