労働時間等設定改善特別措置法で課された事業主の努力義務


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マクドナルドやコナカの店長からの訴えに端を発した名ばかり管理職の長時間残業等、労働時間管理を巡る問題がマスコミに取り上げられる機会が増えています。
そんな中、長時間労働、過重労働による自殺という痛ましい労災認定が明らかとなりました。
キヤノンの研究所「富士裾野リサーチパーク」に勤務していた男性社員が、月に200時間近い残業をした上、過労によるうつ病となり電車の踏切に飛び込み自殺しました。
キャノンのリサーチパークでは午後10時までしか残業できないことになっており、男性は帰宅後、自宅のパソコンで仕事をしていました。
更に今回の労災認定で問題なのは、長時間残業の慢性化に耐えられなくなり、上司に退職届を出したものの受理されず、2日後に自殺したという事実です。
キャノンの御手洗社長は日本経団連の会長も務めているだけに、自社内の過酷な労働環境が明らかになったことは今後問題となる可能性があります。
労働時間に関しては、労働時間の短縮の促進に関する臨時措置法を全面的に見直し、2年前から労働時間等の設定を労働者の健康と生活に配慮したものへ改善することを目的とした労働時間等の設定の改善に関する特別措置法(労働時間等設定改善特別措置法)に改められました。
労働時間等設定改善特別措置法は、我が国における労働時間等の現状及び動向にかんがみ、労働時間等設定改善指針を策定するとともに、事業主等による労働時間等の設定の改善に向けた自主的な努力を促進するための特別の措置を講ずることにより、労働者がその有する能力を有効に発揮することができるようにし、もって労働者の健康で充実した生活の実現と国民経済の健全な発展に資することを目的としています。
更に労働時間等設定改善特別措置法では、事業主に以下の努力義務を課しています。
1.事業主は、その雇用する労働者の労働時間等の設定の改善を図るため、業務の繁閑に応じた労働者の始業及び終業の時刻の設定、年次有給休暇を取得しやすい環境の整備その他の必要な措置を講ずるように努めなければならない。
2.事業主は、労働時間等の設定に当たっては、その雇用する労働者のうち、その心身の状況及びその労働時間等に関する実情に照らして、健康の保持に努める必要があると認められる労働者に対して、休暇の付与その他の必要な措置を講ずるように努めるほか、その雇用する労働者のうち、その子の養育又は家族の介護を行う労働者、単身赴任者(転任に伴い生計を一にする配偶者との別居を常況とする労働者その他これに類する労働者をいう)、自ら職業に関する教育訓練を受ける労働者その他の特に配慮を必要とする労働者について、その事情を考慮してこれを行う等その改善に努めなければならない。
このように、労働時間等設定改善特別措置法には業務の繁閑に応じた労働者の始業及び終業の時刻の設定や、年次有給休暇を取得しやすい環境整備等を講ずる等、今の労働環境改善に求められる様々な要素が盛り込まれています。


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