労災保険の適用、給付基礎日額に関する注意点


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1.暫定適用事業所の適用範囲の注意点
労働者災害補償保険法は、使用者が行うべき災害補償を保険給付として取扱います。
一方、他の社会保険で取り扱われている被保険者という概念がありません。
そのため、労災保険は労働者単位で適用されるのではなく、事業所単位で適用されます。

原則上は、労働者を1人でも使用する全ての事業所が適用事業所になります。
しかし、農林水産業の一部には、暫定任意適用事業所となる例外もあります。

〔林業の暫定任意適用事業の範囲〕
労働者を常時には使用せず、かつ、年間使用延べ労働者数が300人未満である個人経営の事業

例えば、労働者数が300人未満であっても、1人でも常時使用している労働者がいれば、その事業所は強制適用事業所になります。
また、常時使用する労働者がいなくても、法人の場合は全て強制適用事業所となります。


2.労災保険適用労働者の範囲での注意点
労災保険では、適用事業所において賃金を支払われている全ての労働者が、その適用対象となります。
その範囲は広く、アルバイト、パートは勿論、不法就労している外国人労働者も労災保険の適用者となります。
そしてもう一点、労災の適用労働者で注意したいのが、法人の取締役や理事等の要職にある人々です。
業務執行権を有していない役員等で、執行権を有する者からの指揮を受け、対償として賃金を得ている者は、それらの要職にあっても労災保険の適用者になります。


3.労災保険の給付基礎日額のポイント

労災保険の保険給付には、療養の給付のような現物給付と、障害補償年金といった現金給付があります。
現金給付で支給額の基礎となる給付基礎日額は、労災保険の様々な給付に関わってきます。
それだけに、基本的事項をしっかりと把握しておく必要があります。

給付基礎日額は、原則として労働基準法に定められている平均賃金に相当する額とされています。
しかし、給付基礎日額は賃金変動に対応したスライド制や最低・最高限度額水準等、労災独自の算定方式があるため、常に平均賃金と同額とは限りません。
また、平均賃金相当額を給付基礎日額とすることが適当でないと認められる場合(じん肺患者等)は、特例による算定が認められています。

その他、注目しておきたいのは端数処理の違いです。
給付基礎日額は、1円未満の端数に対し1円に切り上げることになっています。
一方、給付基礎日額の最低保障額として自動変更対象額が設けられていますが、こちらは5円未満の端数は切り捨て、5円以上10円未満の端数は10円に切り上げとなっています。

また、給付基礎日額の算定方式であるスライド制と最低・最高限度額ですが、年金給付基礎日額ではこれら両方が適用されるのに対し、一時金給付基礎日額ではスライド制のみで最低・最高限度額基準は適用されません。


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