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老齢基礎年金に付加される「振替加算」の注意点


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コンピューター上の宙に浮いた5000万件の年金記録問題発生以降も、様々な記録上の不備が相次いでいます。
5000万件の年金記録の照合作業も未解決の状況で、厚生年金保険のマイクロフィルム化された記録(4億件)のうち、1・4%がコンピューターの記録と一致しないことが、厚生労働省のサンプル調査で明らかになりました。
厚生年金は事業所単位で取り扱うため、比較的安全とされていましたが、予想を裏切る結果となっています。
これに関連して、社会保険庁職員による事業所を巻き込んだ報酬月額改ざん指南の実態が、明らかとなりつつあります。
腐敗した組織を立て直すため2010年1月に設立する「日本年金機構」の人員配置は、正規職員を約4000人削減して1万人未満に抑え、民間登用を1,000人まで増やす計画となっています。

年金記録を巡る問題は、更に混乱することが確実な情勢となっています。
ただ、多くの国民にとって、公的年金が老後のライフラインであることに変わりはありません。
そんな公的年金から支給される老齢厚生年金と老齢基礎年金において、注意しておきたいのが、配偶者に振り替えられる「振替加算」です。
旧国民年金法においては、被用者年金各法の被保険者又は組合員の被扶養配偶者は任意加入の対象だったため、これらの者が昭和61年4月1日以後に第3号被保険者となっても、国民年金の加入期間は短く、老齢基礎年金の額が少額となる場合がありました。
そこで被用者年金各法の被保険者又は組合員に支給される老齢厚生年金、退職共済年金等に加算されている加給年金額を、その配偶者が受給する老齢基礎年金に振り替える「振替加算」制度が設立されています。
老齢基礎年金の受給権者が次のAからCの要件を満たした場合、その者に支給される老齢基礎年金に振替加算が加算されます。
A.大正15年4月2日から昭和41年4月1日までの間に生まれた者であること
B.65歳に達した日において、次の(a)又は(b)の要件に該当するその者の配偶者によって、生計を維持していたこと
C.65歳に達した日の前日において、その者の配偶者がその受給権を有する次の(a)又は(b)に掲げる年金たる給付の加給年金額の計算の基礎となっていたこと
(a)老齢厚生年金又は退職共済年金(特別支給の老齢厚生年金又は特別支給の退職共済年金を含む)の受給権者(その年金額の計算の基礎となる期間の月数が240以上(中高齢者の期間短縮特例による場合において、240に満たないときは240とみなされる)であるものに限る)
(b)障害厚生年金又は障害共済年金の受給権者(同一の支給事由による障害基礎年金の受給権を有する者に限る)
老齢基礎年金の受給権者が振替加算の要件に該当した場合における振替加算は、その者が65歳に達した月の翌月から行われます。
ここで注意したいのは、配偶者が老齢基礎年金の繰上げ、繰下げを行った場合です。
老齢基礎年金の支給開始年齢を繰上げても、振替加算の支給開始年齢は65歳から変わりません。
一方、老齢基礎年金の支給開始年齢を繰下げた場合、振替加算の支給開始年齢も繰下げられてしまいます。
老齢基礎年金の繰下げは本来、受給額を増やすことが目的です。
しかしながら、繰下げにより老齢基礎年金の受給額が上乗せされても、それまで支給が繰下げられた振替加算分を勘案すると、総受給額が下回ってしまうケースも考えられるだけに注意が必要です。



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